糖尿病の猫の介護④
その一瞬を、母は見逃さなかった。
「いける、戻ってきた」
呼び戻す声が大きくなる。からだをこすり続ける。
ぜーぜー、と息をしている。母も妹も泣いていた。
時刻は午前3時。
ネットでやっと見つけた救急病院にペス夫を連れて行くことにした。
場所は箕面。実家のある兵庫県東部からは30キロ以上の場所だ。
寝ていた父を叩き起こし、車に乗り込む。
びしょびしょのままの彼は母の腕の中で震えていた。
病院に到着した瞬間、ペス夫はおしっこをもらした。
車内では少し持ち直った雰囲気だったので、まわりの人間たちは焦った。
すぐに診察台にのせられ、7人もの先生が彼を取り囲んだ。
原因は、低血糖だった。
いつも見ていただいて、ありがとうございます!