糖尿病の猫の介護③
ただならぬ雰囲気。それにペス夫のうんこの臭いがする。
彼のうんこはいつもとんでもなく臭いので、だいたいわかるのだ。
「ペス夫、失敗しちゃったんかな」
そう思い、子供たちみんなが成人した今も現役の、二段ベッドから降りた。
下の段に、彼はいた。
お尻の近くにうんこが少し。
手足をピーンとさせて、目をかっぴらき、まるで剥製のように固まっていた。
瞬きをしないその目はどこにもつながっていない。
「ペス夫が、おらんくなった」と母は思ったという。
急いで彼のからだを抱き上げ、全身を使ってからだをこする。
彼のからだは冷や汗でびしょびしょに濡れていた。
「ペス夫! あかんで! 戻ってきて!!!」
全力で呼び戻す。
隣の部屋で寝ていた一番下の妹を起こし、二人で呼ぶ。
びしょびしょのからだをこすり続ける。
しばらくすると、パチッ と一瞬、まばたきをした。
見ていただいて、ありがとうございます!