慢性膵炎の猫の介護29(糖尿病の猫の介護)
前回のおはなし
母の落ち込みようはひどかった。
こっちが辛くなるくらい思い詰めた顔をしているので、散歩に誘った。
母は、ペス夫が豹変し、歯向かってきたことがとても辛かったようだ。
「もうこれが寿命やと思った方がいいんかもしれへん」
「こんな感じで他の猫も死んでいくんやって思ったら耐えられんくなった」
いつもはすごくポジティブな母が弱音を吐く。
やっぱりお金がどんどんなくなっていく現状に、参っているのだろう。
仕方が無いと思う。だって辛いもん。2ヶ月で50万だもんな。
だけど、あんま考えすぎたらあかん、考えてもペス夫はよくならんで! と説得し、カラオケで1時間ほど熱唱し、帰宅した。
ペス夫はまだ、おもちゃをくわえたままだった。
すごく眠たそうなのに目を見開いている。
自分を守ろうと必死だった。
きっと今日はダメだろう。点滴も注射もしてもらったし、ごはんは明日でもいいや。
そう思い、そっとしておいた。
2時間後くらいだろうか。
「おもちゃとれたで!」
妹の明るい声が響く。
洗面所に行くと、普通の呼吸に戻ったペス夫がいた。
気分を損ないたくなかったので、少しなでて、そっとしておいた。
いつも見ていただいて、ありがとうございます!