糖尿病の猫の介護28
前回のおはなし
家に帰ってからもペス夫はおかしかった。
玄関先でキャリーケースを開けると、いつもなら一目散に飛び出て行くのに、顔すら出さない。
手を入れると掴まえて蹴ってくる。
まるでろう城してるかのようだった。
2階に連れて行き、カーペットの上に引きずり出す。
ペス夫はじっとしたまま、だけど明らかに威嚇した状態で呼吸を荒くしていた。
目を見開き、よだれをたらし、触ろうとするものには容赦なく引っ掻いた。
わたしの腕には、はじめてミミズ腫れができた。
いつもおとなしいペス夫が豹変したので、母はすごくショックを受けていた。
気がまぎれるかとその辺にあった猫のおもちゃを目の前に出すと、がぶっと噛み付いて離さなかった。
仕方が無いので洗面所の奥にある、今はもう使っていないシャワールームの奥にペス夫を入れた。
最近気に入ってよく入っている、ペス夫の隠れ家なのだ。
上からバスタオルをかけて、一人だけにさせてやる。
今はとにかく落ち着かせてあげたかった。
いつも見ていただいて、ありがとうございます!