糖尿病の猫の介護22
前回のおはなし
ペス夫の調子は変わらなかった。
毛艶もよくなり、以前と変わらずごろごろいうようになったが、相変わらずごはんは食べなかった。
たまにごくごく少量のカリカリを食べるのも同じだった。
わたしはというと、行ってみたかった利尻島でのリゾートバイトが決まっていたので、それに向けて準備をしていた。
本当はリトルカブで利尻島まで行く予定だったけど、よくなるまで一緒にいたかったから飛行機をとった。
マイルがたまってて、ほんとうによかった。
そしてわたしは旅立った。
旅立ちの朝、ペス夫はいつものようにベッドの下でじっとしていた。
何匹かの猫に別れを告げて、タクシーに乗り込んだ。
毎日の点滴と給餌、それがどんなにペス夫を救っていたのか。
そのときは毎日のルーティンに組み込まれていたから何も考えていなかったけど、やっぱり介護というものは注意深く見守る人が必要なんだと、後になって気づいた。
いつも見ていただいて、ありがとうございます!