糖尿病の猫の介護⑯
前回のおはなし
このにおいに嫌気がさしてきたのは人間の方だった。
そして誰ともなく「ペス夫もこのえさやから食べへんのんちゃうん」とか言い出し始めた。
事実、すごいにおいなのだ。
そして、ペス夫はほんとうに食べなかった。
「a/d缶以外にもなんかあるはずや!」とネットで情報を集め、ホームセンターに行った。
そこで見かけたのは老猫や子猫用のペースト状になった総合栄養食や、授乳期の親猫にあげる缶詰だった。
「ペス夫も毎日同じ味で飽きてるに違いない」とあらゆる味のものを買い、家に帰りいそいそと与えてみた。
最初にあげたのはいなばが出している子猫用のごはんだった。
ちゅ〜るという名前でそのままペロペロなめることができる。
細身のパウチに入っているので、封をあけてペス夫の口にそのまま持って行く。
いつものように口をひらかせ、ちゅるっと送り込む。
嫌がってはいるものの、シリンダーで送り込むよりナチュラルに入ってくるからか、抵抗が少ない気がする。
与える側としても、においがないぶん与えやすかった。
さらに水でゆるくしていないのでどれだけ与えられたかが明確で、達成感があった。
結局その日は、パウチ1本分のごはんをあげることに成功した。
いつも見ていただいて、ありがとうございます!