糖尿病の猫の介護⑭
次の日から本格的な介護がはじまった。
朝7時にインスリンを打つ。
老眼が酷くなってきた母がメモリを見るので、誰かが付き添わないといけない。
午前中、誰かがごはんを食べさせる。
できれば一時間ごとに食べさせた方がいい。
脂肪肝にさせないために、今はとにかくたくさん食べさせなければならない。
昼12時前、インスリンが下がりすぎていないかチェックするため病院へ。
血液検査、点滴、吐き気止めと諸々の感染を防ぐための抗生物質の注射もする。
毎日の治療代は一万円をこえた。
午後も午後でとにかくごはんを食べさせる。
食べたくない、と抵抗する元気だけは残っているので、二人掛かりで与える。
一人が食べさせ、もう一人が手や足をおさえる。
でも、容態は悪くなるばかりだった。
胃液だけの嘔吐は続き、口からはずっとよだれを垂らしていた。
足腰は弱り、2、3歩歩いただけでうずくまっていた。
まるでおじいちゃんのようだった。
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