くちづけ *1/4追記あり
映画でこんなに泣いたのいつぶりだろう。
言葉にすると安っぽくなっちゃう気がして、あんまりうまく言えないんだけど、お涙ちょうだいなわけでもなく、だけどぐっさぐっさ刺さってくる映画だった。
一時期話題になった、老老介護の末の心中。母は息子を抱きしめて、労ったんだっけ。
わたしたちは多分、それを新聞で見て、もっと行政とか、人に頼ったらいいのにって言ったんだ。少なくともわたしは言った覚えがある。母と一緒にニュースを見てた気がする。
だけどこの映画ですごいことを、ぽろって言ってる。
「苦労してきた人だから、本当に頼られたときに大変なことを一番よく知ってるんだよ」って。だから人を頼れないんだよって。
今のわたしがこーいうことになったら、迷わず人を頼るしたくさん交渉すると思う。だけど、知的障害のある人と暮らすのはきっと想像できないくらい大変なんだろう。だから、簡単に人を頼れないんだろう。
でもさ、もう少し頼ってくれたっていいのにね。相談してくれたっていいのにね。てゆかまわりも気づけよ!
脚本はいうまでもなく。これはもともと舞台なんだよね? 東京セレソンデラックスっていうとこの舞台なんだね。ワンシチュエーションで進んでいく。舞台、もしやる機会があったら見に行きたいなあ。。
演技も言うまでもなく。やっぱ貫地谷しほりいいね。うーやん役の人がこのお話自体の脚本家さんなんだけど、おもしろすぎる。ほかの知的障害者の役の人たちも、その他の人たちの演技も舞台よりなんだけど自然でとんでもなく面白い。
あ、調べてみたら舞台役者がやってるのか! なるへそ。
☆
しかしほんとに、子供でも大人でも、誰にでもオススメできます。途中で疲れることもなく、しっかりと笑えて泣けて、でもすーーーーごく考えさせられて、読書感想文とか、そんなんに推薦できるくらい素敵な映画でした。
ぜひぜひ、おすすめです。
追記*1月4日
余韻が残る映画だった。一晩考えてみて出てきたのが、当人たちの思い、だった。
まわりの人がいないと生きていけないけど、彼らの気持ちとか想いはどうなるんだろう。うーやんとまこちゃんは作中で結婚したいんだけど、途中で引き離されてしまう。そのことについて作中ではほぼ触れられてないけど、彼らの気持ちとか想いはまったく無視されているんだよね。全てたわごととして受け止められてる気がする。現実的に結婚は無理なのかもしれないけど。
もしかしたら結婚させていたら誰も死なずにすんだのかもしれない。そんなふうに思ったりもした。なんとなくラストでもやもやしてしまったのはここなのかなあ。
まこちゃんはいっぽんじゃないとダメかもしれないけど、うーやんでも大丈夫だったはず。。多分。。
うーん、とにかくおすすめ。泣けるとか書いたけど、それ以上に考えさせられるよ。